神田の藪蕎麦が…

 ちょうど更科蕎麦のページを制作していて頭が老舗蕎麦屋でいっぱいな時に神田の藪蕎麦全焼のニュースを知り、唖然としました。
 怪我人が出なかったのは救いですが、早い復旧を願っています……。

 

かんだの藪蕎麦
 藪そばの名前は団子坂の「藪下」の地名(俗称)に由来するともいう。
 明治13年(1880)頃、浅草蔵前の「中砂」が神田連雀町(れんじゃくちょう)にあった藪(俗称で正式名は「蔦谷」)蕎麦屋を買い入れて「かんだの藪」の発祥となった。

 昨日焼けてしまった数寄屋造りの店舗(東京都千代田区神田淡路町)は大正12年(1923)に建てられ東京都の歴史的建造物に選定されていた。

かんだやぶそばサイト:http://www.yabusoba.net/

 

▽江戸三大蕎麦とも呼ばれる老舗の蕎麦屋、大坂の砂場・東京の更科と藪。

蕎麦の葉を磨り潰して入れた「藪蕎麦の緑」
更科粉の「更科の白」
玉子の黄身を多めに入れた「砂場の黄色」
と、昭和中期頃までは蕎麦の色が分かれていたらしい。

色といえば盆も、藪は黒い盆、更科は赤く丸い盆だったそうだ。

参考図書
・藤村和夫『蕎麦屋のしきたり
・植原路郎『蕎麦辞典