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はらだおさむ著『古文書徒然』発刊に寄せて

近畿地方の旧飯野藩領を通じて知己を得た「宝塚の古文書を読む会」のはらだおさむ氏が、この度個人誌『古文書徒然』を発刊されました。
後述の文化財「旧和田邸」と読む会の活動については、関西での調べ物がまとまってからの更新予定でしたが、発刊のお祝いを兼ねまして、先行してご紹介いたします。

はらだおさむ著『古文書徒然』
A5判 274頁 定価1,500円+税

原田氏が長年にわたり宝塚の古文書を読む会、伊丹の古文書を読む会、豊中の歴史と文化の会の各会誌に寄稿した論考や随筆を一冊にした集大成本です。
江戸時代の雪の結晶の研究で有名な下総国古河藩主の土井利位についての一考から始まり、古文書読み解きや現地調査に基づいて摂津国にかかわる歴史考察を綴られています。

古文献を細かく見渡して疑問を感じた点を調べる原田氏のスタイルは、手の加えられた編纂物を読むだけでは気付けない目のつけ所で、敬服いたします。
数少ない飯野藩の研究書としても貴重な一冊です。

原田氏の更なるご活躍を祈念しております。

※限定販売の私家本のため、購入希望の方は当サイトのフォームやTwitterにてご一報下さい

 

宝塚市立歴史民俗資料館「旧和田家住宅」

 

摂津国川辺郡米谷村の庄屋を代々務めた和田家の歴史ある住宅です。
和田家の御当主様が長く往年の形を守り続けてきた建物が、平成7年の阪神淡路大震災で被災し、貴重な伝統的建造物の保護のため調査と修繕が行われ、翌年宝塚市の有形文化財に指定されました。

和田家の蔵は多くの庄屋文書を有し、被災地の古資料の保護が行われたモデルケースとなったと言えます。

また、文化財改修工事に伴う資料整理をきっかけに、和田氏のもとで地域住民と郷土愛好家達により和田家所蔵の古文書を解読するグループ「宝塚の古文書を読む会」が結成されました。
和田家文書は16世紀の太閤検地の写しも含む江戸時代の古文書から明治時代の資料まで数千点を数え、今も読み解きが進められています。

「宝塚の古文書を読む会」会報『源右衛門藏』

旧和田家住宅所在地:兵庫県宝塚市米谷1丁目8番25号

 

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読む会と和田氏、原田氏には多々御恵贈に与り恐縮の至りでありますが
近い内に何かこちらから返せる形にできるよう、精進致します。

お問合せありがとうございました

>K様
お問合せのお寺の場所をメール致しましたのでご確認下さい。
くれぐれも閉門時の墓参はお控え願います。

マイペース運営ですが今後ともよろしくお願いします。

 

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さて、ここ数年は暗い事情がのしかかり
ブログの更新まで手の回らない状況が続いております。

歴史散策は気晴らしも兼ねて日帰り範囲でコツコツ行っていますので
気長に更新を待っていただけたら幸いです。

NHK歴史秘話ヒストリアで林忠崇の秘話が放送されました

明治元年から満150年の昨年、各地で戊辰と明治をテーマにした記念企画が行われました。
大名林家貝淵請西藩の国元の木更津市でも市史編さん事業公開講座「木更津地域から見た明治」の一つに「脱藩大名・林忠崇の戊辰戦争」の講演があり、他にも市内地区の講座に請西藩がテーマに選ばれる等、150年記念を機に林忠崇の再評価への動きを感じています。

今年の春、NHKのディレクターさんから『歴史秘話ヒストリア』で林忠崇侯を紹介するとの連絡がありました。(収録がまとまり放送日が確定した際も再度お電話を下さった、誠実な方です)
思いがけない吉報です。
まるごと林忠崇侯をテーマにしたTV放送は初の試みではないでしょうか。

制作陣がゆかりの地でしっかりと取材を重ねていき、その土地土地で接した関係者や、噂を耳にした歴史ファンが放送を心待ちにしていたことでしょう。
そして7月24日、昭和の太平洋戦争直前まで生き最後の大名となった晩年の忠崇が答えた「明治元年にやった」とは、という一つの問答から、待ちに待った放送が始まりました。

──長身で容姿端麗文武両道の美丈夫、領民にも「お林さま」と慕われ、德川幕府を支える名君の器を持つ将来有望な忠崇が、若くして藩主となって間もなく戊辰動乱に直面するシーンで、德川の忠義を全うせんと決断した「脱藩いたす」のセリフを俳優の濱正悟さんが凛々しく発し、視聴者を引き込みます。
幕府への恩義、と言葉だけで済ますのでなく、忠崇の傍らの甲冑に象られた「兎」を通じて、松平(德川)家との縁も詳しく紹介されました。林家の祖先林光政が徳川家の祖先世良田有親親子をもてなし饗した兎という吉祥シンボルが後の将軍家の反映に繋がったとした、一文字大名と呼ばれる家紋の由来、献兎賜盃の逸話を、可愛い兎の像のある兎田から届けます。

ドラマでは、請西藩の家臣や、幕府精鋭部隊である遊撃隊の人見勝太郎伊庭八郎らと共に戦へ身を投じていくていく様を、参考文献を元にセリフを採って描いていきます。
各地転戦の果ての東北で、悲願の德川家存続と德川慶喜の命が守られた報が届き、忠崇の「自ら人柱となって德川家を救う」という目的は果たされました。このまま戦い続ければ犠牲を増やすと葛藤の末に降伏を選んだ忠崇に対して憤る遊撃隊士の前で、降伏の際に切腹を覚悟していた忠崇の口から辞世が詠まれました。
真心の あるかなきかは ほふり出す 腹の血潮の 色にこそ知れ
德川家への真(まこと)の心があるかは腹から吹き出る血潮で分かるはずだ、と。

謹慎を経て明治の世となり、戊辰戦争での敵味方に関係なく大名は全て華族という貴族階級に置かれる中で、脱藩した忠崇は一庶民として鍬を取り算盤を取り様々な職を試ながら苦渋の生活を送りました。
かつての旗揚げの志に共感した家臣子息の廣部精が中心となって奔走し、明治政府から華族の品位を保つ資産が必要との条件を満たして華族となるまでの様子が、忠崇の歌集「おもひ出くさ」の直筆の絵入り回顧録を通じて描かれます。
晩年「アパートの一室で娘と暮らす、飾らず穏やかな日々となり」の新聞記事の取材に寄せた忠崇翁の快活な笑い声に乗せて、番組冒頭の明治元年に(既に)やったという答えにつながる終幕の時がやってきます。

最後に岡崎市の龍城(たつき)神社が毎年正月に振舞う「うさぎ汁」の紹介と、先月行われた幕末遊撃隊150年慰霊祭の様子が映し出され、子孫末裔の方々のインタビューで締めくくり、ドラマのハイライトシーン「脱藩いたす」のセリフで結びました。


早雲寺碑前祭での心形刀流赤心会による奉納演武(演者撮影とネット掲載認可済)

請西藩を知らない視聴者でも分かるように練られた構成でありながら、脱藩して戦った若いお殿様というシンボリックな一面だけ取上げるのではなく、忠崇の決断の根底にある林家のルーツや、戊辰戦争後の境遇と暮らしまでしっかりと描いた、実に後味の良い放送でした。
地元の視聴者として、ディレクターさんはじめ番組スタッフの方々には感謝の至りです。

番組案内:歴史秘話ヒストリア「最後の大名 時代を駆ける」
【8/5修正】再放送は8月20日(火)NHK総合15:08~予定です。
※番組公式ページでは9月24日(火)とあります。再放送日が変更となる場合もあるので、一週間前更新のNHK番組表ご確認下さい

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放送日に合わせて、郵便局より記念切手「オリジナルフレーム切手『上総国請西藩 一文字大名 林忠崇』」が販売となりました。


そしてもう一つ大きな朗報として、番組内で明治後期に忠崇が兎田に訪問したエピソードも紹介されましたが、番組取材をきっかけに松本市の歴史研究会が旧家を訪れ、林忠崇侯の書画が複数見つかりました!

木更津市でも予てから請西藩に興味のあった面々の間ではちょっとしたお祭りムードで、放送前に西上総文化会による講演会『幕末の請西藩─戊辰戦争を中心に』が開かれています。
放送後、どのような新しい動きがあるのか楽しみです。

メッセージありがとうございました

>Y様

「竪川」についてのお問合せについて
メールにて返信しましたのでご確認下さい。

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私生活上の桎梏でブログ更新が疎かになっていますが、
相変わらず郷土史のあれこれを平行してコツコツ調べを進めています。

昨年からの「明治150年記念」企画や、それ以外の催しを通じて
新しい出会いや繋がりも出来て、これからも前進できそうです。
今後も故人を偲ぶ気持ちを忘れずに歴史を辿りたいと思います。

メッセージありがとうございました

>H様(10/30着)
はじめまして。複数の流派を修めた剣術家も多々おりますが、
どのような形で伝授されたのか等々感興がわきますね。
目録の件はメールにて返信致しましたのでご確認の程よろしくお願いします。