夜間戦闘機「月光」と陸上爆撃機「銀河」の設計図発見

月光模型

第二次世界大戦後期の海軍機、銀河・月光等の1万枚以上の設計図を国立科学博物館の鈴木一義先生が発見されたという胸躍るニュース!
なんと「空と宇宙展」で包装状態ではありますが公開とのことで「はやぶさ実物大モデル」を目当ての友達と利害の一致で上野にGO!

2010年は1910年12月に日本初の動力飛行が実現してから100周年、これを記念して国立科学博物館にて日本の航空宇宙史の特別展『空と宇宙展 -飛べ!100年の夢―』が開催されました。

月光と銀河の設計図とパネル

■夜間戦闘機「月光
大日本帝国海軍は昭和13年(1938)に十三試双発長距離戦闘機の制作をを中島飛行機に指示し昭和16年(1941)3月に試作初号機が完成したが性能が不安定で翌年7月にひとまず二式陸上偵察機として採用。その後昭和18年(1943)8月に複座の丙戦(夜間戦闘機)に改造した月光一一型(J1N1-S)として採用。
斜め銃改修型の戦法が敵大型爆撃機に対し威力を発揮し、B17・B29迎撃に投入され、終戦近くには特攻機としても使われた。

■陸上爆撃機「銀河
海軍は昭和15年(1940)に多様な雷撃、水平爆撃、急降下爆撃が可能な長距離・高速度の十五試双発陸上爆撃機の試作を指示し、昭和19年(1944)10月に増槽装備の銀河一一型として採用、その後も13mm連装動力銃架装備の銀河一一乙型、発動機を三菱火星二五型空冷式複列星形一四気筒・1540~1850馬力二基に換装した銀河一六型(P1Y2)など改良が加えられ、一式陸攻(一式陸上攻撃機)の後継機として稼働。

 

月光と銀河の設計図

「月光」「銀河」の設計図
月光・銀河の開発した技術者達が戦後の新幹線の先頭車両の設計等にも携わっており、日本の近代産業技術に貢献した経緯があるため注目を集めています。

 

紹介しきれないので今回は設計図のみですが、日本の名機の模型展示や設計図、二式単座戦闘機「鍾馗」エンジン・一式戦闘機「隼」タイヤ・零式艦上戦闘機用プロペラの型・零戦や隼搭載の栄21型エンジン等の実物も展示されました!

 

はやぶさ

▲小惑星探査機「はやぶさ」実物大モデル

特別展ではその他近代のジェットエンジンの展示と解説、打ち上げロケットや衛星、探査機の模型や情報と資料等々盛りだくさん。
展示場内は父親と子供の親子連れが多かったです。大抵はパパさんが一番はしゃいでました。
入場者は15万7千人を超えたそうです。YS-11量産初号機保存公開費の募金箱の中にもお札の山。(ちょうど仕分けの報道があった時ですし)寄付は惜しめませんよね!

 

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おまけ。国立科学博物館ですから、企画展を堪能した後は館内のいつもの地球館常設展へ。

零戦二一型

零式艦上戦闘機二一型改造複座機
ラバウル北西のニューブリテン島ランパート岬沖で引き上げたもので、零戦21型を偵察用に復座に改装したものです。
機体番号「53-122」はラバウル航空部隊二五三空の所属を表します。

 

国立科学博物館サイト:http://www.kahaku.go.jp/
特別展『空と宇宙展』ページ:http://sora-uchu.jp/index.html
※平成22年10月26日~平成23年2月6日開催

参考図書
・神野正美『梓特別攻撃隊―爆撃機「銀河」三千キロの航跡
・『海軍陸上爆撃機「銀河」
・『海軍夜間戦闘機「月光」
・小川利彦『日本の傑作機
・野原茂『日本軍用機事典1910~1945 海軍篇

(2013年5月16日up)