▲早雲寺本堂と遊撃隊戦死士墓
旧幕府側として箱根戊辰の役で亡くなった隊士のため明治13年(1880)6月に人見寧(勝太郎。遊撃隊第一軍隊長)が「游擊隊戰死士墓」を建立した。隣に碑が並ぶ。
石材は小田原の根布川石。
碑文
明治戊辰之難、幕府遊撃隊士等相率去府下拠函嶺、五月廿五日、與
官軍会湯本村、短兵塵戦一以當百、奮撃而死者数十人、而瘞屍于
茲地者凡九人、掘屋良輔、小笠原正七郎、市川元之丞、越多三郎、森多
三助、島村善太郎、武田幸二、大原敬、竹内利平者為某君某君、皆余舊
盟也、今茲庚辰、土人等慨其死事、與同志議将建碑以表焉。請余誌之、
嗚呼、追憶当時、倐忽十三周、恍乎如昨夢不勝感愴、乃不辭拙陋略記
事実以勒于碑陰。 明治十三年六月 静岡県士族 人見寧
碑には以下9名の名が刻まれている。
第一軍
掘屋良輔(遊撃隊士。小田原城脱出時に戦死)
竹内利平(一番隊勝山藩士。三枚橋で戦死)
– – –
越多三郎
島村善太郎
武田幸二
第二軍一番隊
森多三助(三枚橋で戦死)
小笠原正七郎(堂ヶ島で討死)
市川元之丞(堂ヶ島で討死、境内に埋葬)
第二軍二番隊
大原敬(駿府藩士)
他、堂ヶ島で討死した9名の首を早雲寺に埋葬したとされ、また小田原城脱出時の戦死者や山崎で戦死した隊士も弔った。
金湯山早雲寺(臨済宗)
所在地:神奈川県足柄下郡箱根町湯本405
サイト:http://www.souunji.jp/
本尊 釈迦三尊仏(室町時代)
開山 以天宗清(大徳寺八十三世)
開基 北條氏綱
創建 大永元年(1521)
寛永四年(1627)再建。本堂は寛政年間建立、昭和三十年代の改修まで茅葺寄棟造
※北条5代の墓地等は別途記事にします